.まめが息を引き取った
帰ってきたら上半身が冷たくなってた
息引き取ってそんなに時間は経ってないようだった
心の準備をしていたものの、どういう手順を踏めばいいかちゃんと調べてたものの、
いざ目の前にすると混乱する
昨日は滑車漕いでたのになぁ
小さなダンボールにペーパーをしきつめて、保冷剤を包んだタオルでおふとんのようにしてまめを包んだ
いつも寝るときは耳をたたんでたのにね、
まだ耳が立ってるから、起きてるじゃないのかなぁ
耳をたたみ忘れてるよまめ、
まだ一緒にいたいよ
.知らなかったけれど、ペットの葬儀相談はだいたいどこの業者も深夜までやってる
13日が休みだからそこにしようと思っていたけれど、腐敗が進んでしまったら嫌だしそんなまめを見たくなかったので12日の13時にお願いした
プランター葬にしようと思って
そもそも用意はしてあったんだけど、完全に白骨化するまでに10年かかる場合があるしうまいこと分解されないと腐敗臭やカラスに掘り起こされてしまう可能性があると書いてあったので取りやめた
ほんとは土にかえしてあげるのが一番いいのかもしれないんだけどね
大事に育てていこうかなぁと思ってたんだけどさ
10年後、プランターからまめの骨を拾うことはできないだろうし
それをゴミに捨てるのはどうしてもできないと思うから
辛いけど火葬を選択した
骨壷に入れて渡してくれるそう
まめは大きかったからなぁ、たくさん骨入ってパンパンになるかもね
骨でも、かえってきてくれるなら
わたしはそばにいれて嬉しい
.まめを飼うときのことを思い出してた
わたしはずっと小動物を飼ったことがなく、
金魚は実家にいたけど、おばあちゃんがよく鮒を煮てたから何匹か小さいのを救い出して水槽に逃していたり、お祭りですくってきたり
でも世話は母がするという典型的な流れだった
あと全然死なない
水槽が小さいので大きくなったらおばあちゃんちの生簀に放してた
いまも生きてる
だから生き物の一生をちゃんと見たことがなくて
なにか飼ってみたかった、それだけの理由だった
ハムスターにしたのはペット関連の仕事をしてる友人のすすめで
それまでハムスターは小さい子が初めて飼うペットのようなイメージで
正直そこまでかわいい〜！！とまではならなかったのだけど
ペットショップにいくと小さいのがたくさん家に詰まって寝てたり
目がきゅるきゅるだったり
幸せの権化だった
キンクマにしたのも友人が懐きやすいし温厚な性格だから飼いやすいとすすめてくれたからで
ペットショップに行ったときはちょっとおとなし目な子にしようと思っていた
.「キンクマいますか？できれば生まれてすぐの…」
たくさんつれてきてくれた
その中でも一際すばしっこくて元気の塊で動き回ってる子がいた
これがまめ
大人しい子にしようと思ったのにすごく視界にはいってくるし
店員さんに
この子でって指を指してもすぐ姿が確認できなくなるため私も店員さんもどれだどれだと必死に捕まえた
ティッシュケースのような箱に入れられて渡されたまめ
初めてバスを使ってペットショップまで行ったけど
帰りの道中も箱がすごい音で揺れるしハムスターって全身で生きててすごい…と思った
.よく連れてきたら一週間くらいは目を合わせず別々に生活してくださいって言われてるけど
あまりにも可愛くて無理だった
初日からガン見
初日から手の上
初日から撫で回し
の三本立て
ほんとにちいちゃくて、ごはんは醤油皿程度の大きさのもので上げてたんだけど、すっぽり埋まってしまうくらい小さかった
.それから生活は続き
ケージが開くことをしったまめはガジガジ齧り続けるし
ご飯取り替える瞬間に脱走するし
あまりにも活発なので夜は野放しにしてる期間もあったわけだが
部屋の四隅を齧ったり
カーテンを上まで登って落ちてきたり(窓ぎわにベッドを置いていたので寝てる間に落ちるとその振動で起きる)
でも凄いのが朝ちゃんと自分の家に戻っていること
おはよう〜って声かけるとしぱしぱした顔で起きてきてくれていた
.まめの名前は
まっすぐにいこう。のマメタロウからきてる
"まめ"の響きが可愛くて気に入っていたからだ
あとはまめみたいに小さかったのと、ハムスターは生後半年経たないとどちらの性別かわからないということだったのでメスでもオスでも大丈夫な名前がいいと思って
まめにした
嬉しかったのは名前を褒めてもらうことも多かったこと
「まめちゃん名前かわいいねぇ、合ってるねぇ、」と友人や会社の人からも言われた
実際に家に遊びに来てくれた友人たちもたくさん可愛がってくれて本当に嬉しかった
別の名前を考えていなかったのもあるけど
やっぱりまめが一番良かったね
.まめの家は4回変えている
一つ目は出入り口を延々と齧り続けるので騒音と噛み合わせが悪くなることを懸念して大きな衣装ケースに変更
二つ目の衣装ケースでも脱走を試みてまさかの天井に穴をあける所業を成し遂げる
恐怖した
ここまで脱走に関して一生懸命になって穴を作り出す生き物だったのかハムスターは‥と
どんどん大きい穴になるので穴を塞ぐために丸めたダンボールを詰める生活が続いたが
丁度その頃友人が期間限定でうちに住んでおり、
友人がふと気づくと床の上にまめがいることにきづく
大層驚き衣装ケースに戻すも大きな穴からまた顔を出して出てこようとする
執念を感じた
それも物凄く強い執念
帰ってきて爆笑してしまったが次の対策が必要だと思うと結構悩みものだった
三つ目はガラスの水槽にした
実家の金魚たちには悪いがやつらが毎日スイスイ泳いでる水槽の倍はある大きさの水槽にした
高さも十分ある
ガラスだから滑って登れない
人間の勝利である
まめの脱走シリーズはここで幕を閉じた
広くなったおかげで快適に過ごしてるようにも見えたし
私も安心して見れて安眠できるようになったので嬉しい限りだった
引っ越しの盲点としてはガラスの水槽があまりにも重くて運べなかったこと
後に資源ごみで出した
引っ越しの際は簡易ケースに移したが、小さいハムちゃん用感があり、まめにストレスをかけてしまった
すぐ最後の四つ目の家が届く
巨大虫かごケース
何十匹カブトムシが飼えるんだろうかと思えるくらいプラスチック製のケースにしては大きめ
またも平穏な日々が続くも、すぐお尻のハゲが悪化してしまう
.おしりのはげ
横浜にいる頃からお尻だけハゲが出てしまい夏だから生え変わりか？？とも思ったが身体を掻く事が増えた為病院へ
皮膚病とも判断できないし、虫とも言い切れないらしく
一旦薬で経過を見ようと言われた
この薬がまずいのか全然飲んでくれずすごく逃げる
意を決して歯の隙間から一滴流したり
あげるのに5分かかる日も殆どだった
それでもなかなか改善せず
あんなに動き回っていたまめが寝てる時間が増えた
夜になっても起きてこなかったり
ご飯もそんなに減ってなかったり
おばあちゃんになっちゃったからしょうがないかな、と思っていたけれど
やっぱり寂しさがあった
心のどこかでそれでも長生きしてくれると勝手に思っていたし、そうなる理由のない自信があったが自体は急変した
.9/10
診察に行くにもまた暑い日になってしまい、動物病院まで10分の距離だけど小さなケースに入れて移動するのはかなりストレスをかける
次の日だったら曇りだし明日にしようと思ってその日はそのまま出勤した
帰ってきたら家から顔を出して寝ていて
いままでそんなことしたことなくてびっくりして声をかけたら
ゆっくりぐったりしながら動いていた
いつもは名前を呼ぶとこっちまできて
外だせ！！！！と言わんばかりにケージの壁を手でペチペチしてくるのに
それもなく
体を引きずるように家から出たり、家に戻ったり、呼吸は浅く目は半分くらいしか開いてなかった
病院！と思っても残業したせいもあり23時過ぎ
今からこの状態で病院にいってなにかできるのか、改善するとは思えないし負担をかけるだけになるんじゃないかと
本来であれば素人が判断することではないと思うが
無理をさせたくなくて受け入れてしまった
.夜中がひたすら怖かった
物音がしないと、死んでしまったのかな…と思って怖かった
でも微かに床材を踏む音や、水を飲む音がして
安心して眠った
朝起きて不安になって呼ぶも機能と変わらない状態
人間で言えばもう危篤状態でもあった
一緒にいてあげたい気持ちもあった
なにもできないけれどそばにいたい気持ちもあった
それと同時に死を目前にして怖気づいてしまった部分もある
土曜日ということもあって私は仕事を休めない
仕事に行った、仕事中も何度も考えた
今どうしてるかな、ご飯はなにか食べれたかな、お水は飲んだかな
今も寝てるかな、
仕事は少し長びいてしまったけれど昨日よりは早く電車に乗れた
家までがすごく遠く長く感じた
足取りが重かった
ここ数日の考え方や行動はあまりにも身勝手だったと思うから
ケージを見ると家の中にいない
よくみるとケージの隅っこで倒れていた
呼びかけても動かない
心拍が上がる
焦ってケースの蓋を取るも力が入ったせいか指を怪我した
恐る恐るまめに触れると上半身だけ冷たかった
ごめんね、ごめんね、と言いながら最後のベットを容易し、最初に戻る
まめとの2年4ヶ月はかけがえのない愛しい時間だった
Twitterにもかいたが、まめロスにはなるかもしれないけど他のハムちゃんを飼ったとしてもその子はまめではないし
大事にしたとしてもまめの代わりにしてしまいそうで嫌だった
今火葬されているまめ
熱いよね、ごめん
うちのエアコンも暑かったかな？これからエアコンつけっぱなしにしない生活が始まるんだね
仕事で嫌なことがあった時とかは
帰ってすぐ
まめー！！きいてよー！！ほんとに悔しいんだけどさ！と
！？と言いたげなまめの顔をよそにずっと喋り続けることもあったな
1歳になったとき一緒に写真を取ろうとしたけど好奇心旺盛すぎてとまらないから
まめのお尻とツーショットが殆どになっちゃって笑ったよ
もういないんだねまめ
でもこれからも大好きだよ
愛させてくれて本当にありがとう
ダメな飼い主でごめん
まめにあえてよかったなぁ
どの仕草も可愛かったね
みんなに愛されて嬉しかったなぁ
たくさん写真や動画撮れてよかったなぁ
でももっと一緒にいたかったよ
欲を言えば、あと一年、一年半、
一緒にいたかったなぁ
ありがとうね、家族になってくれて
ありがとうね、まめ
